『PSP版・メーカー通販特典ドラマ ■PSP版・メーカー特典（前）』

「ＰＳＰ版アラビアンズ・ロスト・メーカー通販特典ＣＤ」用
ドラマ台本
スタッフ・声優用

ＱｕｉｎＲｏｓｅ

原作・脚本　五月攻
編集・音楽　鞠

カーティス＝ナイル　　　　　　　ＣＶ：石田彰
ロベルト＝クロムウェル　　　　 ＣＶ：高橋直純
スチュアート＝シンク　　　　　　ＣＶ：諏訪部順一
シャーク＝ブランドン　　　　　　ＣＶ：大畑伸太郎

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プロローグ（カーティス・ロベルト・スチュアート・シャーク）

●場所（酒場）
【シャーク】
「う～ん……。これは、どうしたもんかなあ……」■■
【【【演出】】】・・・肩を叩く音
【ロベルト】
「よう、な～に酒場でシケた面しているんだよ。飲んでいないのか？」■■
【シャーク】
「っ……。ああ、なんだ、あんたか。いきなり肩を叩くなよ……。いつもカジノに引きこもっているのに、こんなところに出てくるなんて珍しいな」■■
【ロベルト】
「まあ、たまにはな。それを言ったら、こいつらもいること自体が珍しいよな」■■
【スチュアート】
「ふん……。私達は、仕事の話をしていただけだ」■■
【カーティス】
「ま、もう依頼についての話は終わりましたので、僕はお酒をいただいていますけどね」■■
【【【演出】】】・・・カラン、と酒のグラスの音
【スチュアート】
「よくそんなものが飲めるな……。匂いだけで、酔いそうだ」■■
【カーティス】
「あなたも飲めばいいじゃないですか。酒場で酒を頼まないなんて、おかしいですよ」■■
【スチュアート】
「余計なお世話だ。私は、酒など飲まないぞ」■■
【シャーク】
「それにしても、酒場に偶然、ここまで婚約者候補が集まるってのも、すごい話だよな」■■
【カーティス】
「すごいというか……、ご都合主義、ですよねえ」■■
【シャーク】
「ああ、ＣＤの都合上……、いや、まあ、俺も商人だ。触れちゃあならない大人の事情ってやつは心得ているぜ」■■
【ロベルト】
「はは、先刻から複雑そうな顔してんなあ。……って、あれ、そのランプはなんだ？」■■
【シャーク】
「あー……。これは、とあるルートから入手したマジックアイテムで……」■■
【カーティス】
「マジックアイテム……、ですか？一見、ただのランプにしか見えませんね」■■
【シャーク】
「ああ。俺もこんなマジックアイテムは、初めてでな。一緒に説明書きもついていたんだが……」■■
【【【演出】】】・・・カサ……、と紙の音
【カーティス】
「それが説明書ですか？どれどれ……。このランプを持ったまま願いごとを言うと、ランプがその願いを叶えてくれる……？」■■
【ロベルト】
「マジックアイテムっていうか、魔法のランプか？まるで御伽話みたいだな」■■
【スチュアート】
「馬鹿馬鹿しい。そんな都合のいいランプなど、あるはずがないだろう」■■
【ロベルト】
「そうだな。なんでも願いが叶う……なんて、さすがに現実にそれはねえよなあ。本の中なら、ロマンがあっていいんだけどな～」■■
【スチュアート】
「現実だろうが空想だろうが、くだらないにもほどがある。いくらマジックアイテムとはいえ、願いごとを言うだけで叶うなど、有り得ない」■■
【シャーク】
「ああ、もう、分かっているっての。あ～、こんなもんを仕入れちまうとは、失敗したぜ……。俺としたことが」■■
【ロベルト】
「はは。あんたみたいにこなれた商人でも、失敗することがあるんだな」■■
【シャーク】
「くそ……、笑うんじゃねえよ」■■
【カーティス】
「それにしても、こんなアイテムが魔法のランプ……、ですか」■■
【【【演出】】】・・・カチャ、とランプを手に取る音
【ロベルト】
「なんだよ、魔法のランプなんて、信じているのか？そりゃあ、本当だったら、冒険小説みたいで面白いけどよ～」■■
【カーティス】
「別に信じているわけではありませんが、試すだけならタダでしょう？どれどれ……」■■
【スチュアート】
「ふん。くだらない……」■■
【カーティス】
「……林檎が食べたい」■■
【ロベルト】
「って、魔法のランプに願うことが、それかよ？本当に、欲の薄い奴だな」■■
【シャーク】
「ま、本当に何でも叶うなんてありえねえしな。本気の願いを言うほうが、あほらしいだろ……」■■
【【【演出】】】・・・ぽんっと煙の音
【【【演出】】】・・・ごろごろと林檎が出てくる音
【シャーク】
「な……っ！？」■■
【カーティス】
「おや。これは……」■■
【ロベルト】
「どこからともなく、林檎が出てきた……？」■■
【【【演出】】】・・・しゃく、と林檎を齧る音
【カーティス】
「……紛れもなく、林檎ですね。味からするに、毒も入っていないようだ」■■
【シャーク】
「いやいや、とりあえず食うなよ……。入ってたら、どうするんだ」■■
【カーティス】
「たいていの毒には耐性がありますから……」■■
【スチュアート】
「カーティス＝ナイルの人外具合はもはや不思議でもないが……、ギルカタールのご他聞に漏れず、魔法は嫌いだっただろう。どうして、何もないところから、いきなり林檎が出てきたりするんだ？おまえ、何か妙な技でも使ったのか？」■■
【カーティス】
「僕は何もしていませんよ。もちろん、魔法など使ってもいません。ただ、このランプを持ったまま、林檎が食べたいと言っただけです」■■
【シャーク】
「そうだよなあ。まさか、このランプの力なのか？そんな馬鹿な……、いや、しかし……」■■
【ロベルト】
「おい。ちょっとそのランプ、貸してくれよ」■■
【【【演出】】】・・・ランプを奪う音
【ロベルト】
「え～と、何にするかな……。そうだ、それじゃあ、最高に面白い冒険小説が読みたい！」■■
【【【演出】】】・・・ぽん、と煙の音
【【【演出】】】・・・どさどさと本が出てくる音
【シャーク】
「うわっ。どこからともなく、大量の本が出てきたぞ」■■
【カーティス】
「本当だ。それにしても、何やらいやにメルヘンチックな表紙や題名の本ばかりですね……」■■
【【【演出】】】・・・ぺらぺらとページを捲る音
【スチュアート】
「どうやら、内容も吐き気を催しそうなくらい夢見がちなものばかりのようだな……。こんなものを読みたがる奴の気が知れない」■■
【ロベルト】
「なんだよ、面白いんだぞ！？表紙や題名で決めつけず、あんたらも読んでみればいい！」■■
【カーティス】
「遠慮しておきます。こんなものを読んで、あなたみたいな頭になりたくありませんから」■■
【スチュアート】
「そんな本、読む気にもならない……」■■
【ロベルト】
「なんだよ。読んでもいねえのに、そういうこと言うなっつの！」■■
【【【演出】】】・・・ぺらぺらとページを捲る音
【ロベルト】
「つーか……、ぱらぱら読んだだけでもマジで面白いな、この本……。最高に面白いってのは間違いない……」■■
【シャーク】
「いや、本の話なんて、どうでもいいだろ」■■
【ロベルト】
「いいわけあるか、名作と出会うのは、奇跡的なことなんだぜ！？」■■
【シャーク】
「あんたにとっちゃあそうかもしれないが、偏りすぎた奇跡だろ……。あ～、それより、そのランプが、本当に魔法のランプなのかどうか、だ。ちょっと貸してみろ」■■
【【【演出】】】・・・ランプを奪う音
【シャーク】
「何にするか……。まあ、試しだからなんでもいいか。ええと……、俺好みの、新しい服が欲しい」■■
【【【演出】】】・・・ぽんっと煙の音
【【【演出】】】・・・ばさっと服が出てくる
【シャーク】
「おおっ、本当に、どこからともなく服が出てきた！しかも、ちゃんと俺好みの……」■■
【カーティス】
「……本当だ。見事に、あなた好みの服みたいですね……」■■
【ロベルト】
「たくさんのレースに、金の装飾……。今シャークが着ている服以上に、ゴテゴテと派手だな……」■■
【【【演出】】】・・・きらきらきら～
【スチュアート】
「……一言で言えば、悪趣味だ」■■
【シャーク】
「な……、なんだよ。金持ちっぽくて、いいじゃねえか」■■
【スチュアート】
「金持ちは金持ちでも、完全な成金だな。品のない服だ……。私なら、絶対に着たくない。趣味の悪い奴め」■■
【シャーク】
「うるせえな、俺の趣味のことは、どうだっていいだろ？そんなことよりも、こうして次々と言ったことが本当になるっていうのは、このランプ、本物の魔法のランプなのか……！？」■■
【カーティス】
「にわかには信じられませんが……、こうして効果を目の当たりにしてしまうと、信じざるを得ませんね」■■
【スチュアート】
「嘘のような話だが……、世の中には、都合のいいマジックアイテムがあるものだな」■■
【ロベルト】
「すごいな、魔法のランプなんて、それこそ、まるで冒険小説みたいな話だぜ……！」■■
【シャーク】
「本当に、こりゃあ、すごいアイテムだぞ……」■■
【カーティス】
「しかし……。持って願いを言うだけで叶う、なんてうまい話があるんでしょうか。何かリスクがあるんじゃないですか？こういうアイテムは、願いを叶える代わりに、魂など別のものを引き換えにする……、というのもお約束でしょう」■■
【ロベルト】
「おお。そんなお約束を分かっているなんて、実はあんたも、冒険小説とかが好きなんじゃないのか？意外とロマンの分かる男……」■■
【カーティス】
「一般的な知識として知っているだけです。……あなたと一緒にされたくないですね」■■
【【【演出】】】・・・ナイフを構える音
【ロベルト】
「って、ナイフを構えるなっての！そんなに怒ることないだろ！？」■■
【シャーク】
「だが、確かに、願いを叶えてくれるだけなんて、ムシがよすぎるよな……。何かないのか？もう一度、ちゃんと説明書きを読んでみよう」■■
【【【演出】】】・・・カサ、と紙の音
【シャーク】
「え～と、何々……？願いを叶えることのリスクについては、何も書かれていないな。ただし、このランプには使用制限がある……、だと？８回使った時点で、効力を失い、二度と使えなくなる……」■■
【ロベルト】
「８回？ずいぶんと中途半端な回数だな」■■
【スチュアート】
「いや、それより……。なぜ、それをもっと早く言わないんだ。もう、林檎や本を出したりして、３回も無駄に使ってしまったぞ」■■
【シャーク】
「ぐ……。くそっ、勿体ない真似をしちまったな」■■
【ロベルト】
「それにしても、使用制限があるだけで、他に害はないんだな？」■■
【シャーク】
「ああ……。少なくとも、説明書きには何も書いていねえな」■■
【スチュアート】
「そうか。……そんな使えるアイテム、放ってはおけんな」■■
【シャーク】
「……おい。これは、俺が手に入れたアイテムだからな？」■■
【スチュアート】
「ああ、そんなことは分かっている。分かっているが……、それがどうしたというんだ？」■■
【カーティス】
「ふふ。誰の物であろうが、欲しいものは奪うだけ……、ですよね」■■
【シャーク】
「ったく、ギルカタール人らしいことだな……。だが、そう簡単には、奪われねえぞ」■■
【【【時間経過】】】

前説（カーティス・シャーク）
【カーティス】
「……ああ、プリンセス。来てくれたんですね」■■
【シャーク】
「ここでは、このＣＤについての説明をすることになっている。ＣＤを聞く上での注意事項なんかについても話すから、ちゃんと聞いていってくれよ」■■
【カーティス】
「まあ、軽くでいいと思いますけどね。……さて。では、さっそく説明に入るとしますか。このＣＤはＰＳＰ版『アラビアンズ・ロスト』の、メーカー通販特典ＣＤなんです」■■
【シャーク】
「もっとも、そんなことは、このＣＤを聞いている時点で、分かっていそうなもんだが……」■■
【カーティス】
「それでも、一応説明しておくのが、前説というものでしょう」■■
【シャーク】
「ま、そうだな。さて、次に、このＣＤを聞く上での注意事項について説明するぜ。まず一つ目だが、このＣＤは、ゲーム本編をプレイしていることが前提となっている」■■
【カーティス】
「つまり、ゲーム本編のネタバレが出てきてしまう可能性がある、ということです」■■
【シャーク】
「だから、もしも姫さんがまだゲーム本編をプレイしていないのなら、ここで一度、ＣＤを聞くのを止めたほうがいいだろうな。また後で、ある程度ゲーム本編をプレイしてから、来てほしい。俺達や、俺達の世界のことを何も知らないまま聞いても、楽しめないだろ？」■■
【カーティス】
「ええ、楽しみきれないというか……。僕のことだけなら、この場でたっぷりと、あなたに教えて差し上げてもいいんですが……。この男が邪魔なんですよねえ」■■
【シャーク】
「……おい。本人の目の前で邪魔もの扱いとは、ずいぶんご挨拶だな」■■
【カーティス】
「だって、邪魔なんですもん。あなたさえいなければ、僕とプリンセスが二人きりの時間を過ごせるというのに……」■■
【シャーク】
「もんとか言うな、気持ち悪い！前説は三人以上でやるのが相場なんだから、仕方ねえだろ。文句があるなら、あんたがどっかに行け」■■
【カーティス】
「へえ。僕をどこかにやって、プリンセスと二人きりになろうという魂胆ですか？ふふ……、そうはさせませんよ」■■
【【【演出】】】・・・ナイフを構える音
【シャーク】
「おい……、武器をしまえっての。今は、姫さんのための前説の最中だぞ」■■
【カーティス】
「む……。始末してやりたいところですが、仕方ないですね。殺すのはいつでも出来ますし、また今度にしておいてあげます」■■
【シャーク】
「今度だろうと、そう簡単に殺されてやるつもりはねえがな……。悪いな、姫さん。こいつのせいで、ちょっと脱線しちまった。ＣＤについての説明に戻るぞ」■■
【カーティス】
「ええと、二つ目の注意点ですね。先刻も言いましたが、このＣＤはＰＳＰ版『アラビアンズ・ロスト』のメーカー通販特典なんです。特典というのがどういう意味を持つのか、ご存じですか？」■■
【シャーク】
「特典ってのは、ゲーム外のもの。いわゆる企画ものが多い。だからこのＣＤ内では、俺達キャラクター同士の関係が、ゲーム本編とは異なっていることがある」■■
【カーティス】
「本編では仲のよかったキャラクター同士が喧嘩をしていたり、逆に、仲が悪かったキャラクター同士が親しげに会話をしていたり……、ということですね」■■
【シャーク】
「だが、それはあくまで、企画ものだから起こっている現象だ。これが実は、ゲーム本編の裏設定だった……、とかそういうことはない。このＣＤ内での出来事や人間関係を、本編に結び付けないよう、気をつけてくれよ」■■
【カーティス】
「大丈夫ですか、プリンセス？……では、これでＣＤについての説明は終わりですね。そろそろ本編に進むとしますか」■■
【【【時間経過】】】

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