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ハートの国のアリス
~Wonderful Wonder World~

『エリオット=マーチ ■07話』

アニバーサリーの国のアリス・エリオット滞在ルート07
【【【時間経過】】】
帽子屋屋敷・エリオットの部屋
【エリオット】
「な~な~……、【主人公の名前】。
あんたって、本当に余所から来たんだな」■■
「なに言っているの。
最初にブラッドが言っていたでしょう?」■■
「私は余所者よ。
ここの住人じゃない」■■
そんなこと、大分初期の段階から分かっていたことだ。
お嬢様がどうのという件といい、エリオットは初期のことの覚えが悪いらしい。■■
【エリオット】
「ブラッドは賢いけど、俺は余所のことまでよく分からねえ……」■■
「余所っつっても、隣国くらいかと思ったが……。
かなり範囲を広げて調べても、あんたの姉さんはみつからなかった」■■
「俺の網にも引っかからないんだから、本当に余所なんだろうな。
すっげー遠い場所」■■
「さ、捜していたんだ……」■■
【エリオット】
「会ったこたぁねえが、俺、あんたの姉さん嫌いなんだ。
妹をこき使うなんてとんでもねえよ」■■
「……そんなシンデレラ的な要素はまったくないから」■■
「前に話したでしょう?
聞いていた?」■■
【エリオット】
「気付かないってだけで充分だ」■■
エリオットは私の手を大事そうに触る。
そんな、壊れ物のように柔ではないのに。■■
「隠していたんだって」■■
【エリオット】
「…………」■■
(こいつ……、話聞いてねえ……)■■
現実世界とつながっているような設定の夢でなくてよかった。
姉を殺す夢なんて、覚めても消えないような悪夢だ。■■
「……物騒な考えはやめてよね。
私は姉さんが嫌いなわけじゃないわ」■■
エリオットに嘘はついていない。■■
優しくて綺麗な人。
心の美しさが外面にも表れている人。■■
彼女は尊敬すべき人で、恩人だ。■■
感謝している。
口先だけじゃない。■■
【エリオット】
「でも、そういう顔をしていた」■■
「私が嫌いなのはね……」■■
「…………」■■
「姉さんみたいになれない私が嫌いなの」■■
【エリオット】
「?
ならなくたっていいだろ」■■
「なれないから、なりたいの」■■
なれるとも、なりたいとも思わない。
一生、ああはなれないから、なりたい。■■
【エリオット】
「なんでだよ。
優しくて綺麗……だったっけ。そんなの、あんただってそうじゃないか」■■
エリオットは人の話を聞かないだけでなく、目も節穴だ。■■
「……あんたって目が悪いわよね」■■
「私はねえ……、すっっっっっっっっっっごく汚いの!」■■
私のいつになく強い口調に、エリオットは沈黙した。■■
「ずるいし、陰険。
最悪」■■
「しかも、根暗」■■
「ねちねちねちねちねちねち。
自分が不幸みたいに浸っていて、鬱陶しいったらありゃしないわ」■■
呆れてしまえばいい。
慕われたり好かれたり、本来なら私の役回りじゃない。■■
「一番最悪なのは、改善する気がないことよ。
これだけ自分を毛嫌いしているのに、ちっとも直す気がない」■■
「アホなんじゃないかと思うわ。
本気でそうなりたいわけでもないのに、羨ましくて仕方ない」■■
「努力していないのに、欲しがってばかり」■■
【エリオット】
「……性格なんて、努力して変えられるようなもんか?」■■
「そういうものじゃないわね……。
でも、行動くらいは変えられる」■■
「姉さんの前ではいい子ぶっているけど、裏では散々。
悪いことだって、結構やっている」■■
「近付いちゃいけないって言われている下町にだって入り浸っているし……、でも、友達の大半が下町育ちなんだもの。
そんな言い付け馬鹿げているって無視した」■■
姉は表裏がなくて、綺麗な人だ。
ああいう人に憧れる。■■
私には無理。
憧れるような資格もない。■■
「そんな自分が嫌なのよ。
だから、学校を出たら、家も出ようと思っている」■■
「……姉に隠れて、放課後に働いているの。
出版社で助手をしていて、お金を貯めているところ」■■
大事に育ててもらったのに、こんな将来を望むのは裏切りだ。
着々と準備を進めていくごとに、姉への申し訳なさで一杯になる。■■
【エリオット】
「…………」■■
「俺、捨て子だったから兄弟についてはよく分かんねえや」■■
「……私の友達にも、親のいない子はいたわ」■■
そういう子に対しても、同じような申し訳なさを感じる。■■
自分はたまたま恵まれた環境なのに、それを捨てるような真似をしようとしている。
私は、最悪で……最低だ。■■
「エリオットがそういう境遇だとは知らなかったけど、頭にくるでしょう。
私みたいなの」■■
エリオットは答えずに、違うことを聞いてきた。■■
【エリオット】
「【主人公の名前】、他にも家族いんの?」■■
「姉の他に、妹がいるわ。
稼ぎ手の父も健在」■■
「母は他界しているけど、使用人を雇う余裕もある。
優しい姉が母親代わり。これといって不幸な環境じゃないわ」■■
不幸どころか、満たされすぎている。■■
なんの不満も持つべきじゃない。
私は最低の恩知らずの上に阿呆だ。■■
裕福で不自由のない家庭を投げ出すなんて、不幸な境遇で生きてきたエリオットのような人間には許せないだろう。■■
【エリオット】
「じゃあ、あんたはいつか家に帰るのか」■■
エリオットはじいっと私を見る。■■
「そうね。
いつかは」■■
この世界は、居心地がいい。
私の夢だから。■■
だが、夢は覚める。
時間の流れが分かりにくく、いつ覚めるのか、それがどれくらい先のことなのか分からないが、いつかは覚める。■■
夢とはそういうものだ。■■
【エリオット】
「……嫌だな」■■
「一時だけのことよ」■■
家には、そんなに長く留まるつもりはない。
ある程度の貯金を貯め、学校を卒業したら家を出る。■■
卒業するまでの学費は、いずれ返すつもりだ。
姉は嘆き自分を責め、父は激怒するだろう。■■
私は最低の妹で、最悪の娘だ。■■
「また会えるわ」■■
平然と、こんなことも言える。
同じ夢など、二度みることは少ないと知りながら。■■
【【【時間経過】】】
時計塔・ユリウスの部屋
【ユリウス】
「……おい、押し掛けてきておいて、その顔はやめろ。
見ているこちらの気が重くなる」■■
「……え?」■■
「あ……、ごめん」■■
不機嫌を露わにしたしかめっ面に、自分が大分長い間黙り込んでいたことを知る。■■
いや、この部屋で黙り込むのはいつものことだが、ユリウスですら流せないほど、鬱陶しい顔をしていたということか。■■
(この世界では陰気の代表選手と言っていいユリウスに、気が重くなると言わせるなんて……)■■
さすが私だ。
明るく振る舞うのを忘れれば、私のほうがよほど陰気で嫌な奴。■■
【ユリウス】
「いつものように時計を見るでもなし……。
……何を考えているんだ?」■■
「……別に。
つまらないことよ」■■
本当につまらないことだ。
エリオットと交わした会話を、悶々と思い出していた。■■
★同イベント内回想↓
【エリオット】
「じゃあ、あんたはいつか家に帰るのか」■■
「そうね。
いつかは」■■
【エリオット】
「……嫌だな」■■
★同イベント内回想↑
そう言ったときのエリオットの寂しそうな顔も。
あんな顔をする相手に、私はまた会えるだなどと嘘をついて……。■■
(……やめ。
ユリウスと一緒だっていうのに、これ以上考えてどうするの)■■
「あ……。
そういえば、差し入れを持ってきたんだったわ」■■
★基本会話から引用↓
【ユリウス】
「何?
差し入れだと?」■■
「ええ。
あなた、放っておくと何も食べなさそうだから」■■
そう思って用意したのに、完全に忘れ去っていた。■■
(やっぱり呆けているな、私)■■
どれだけ思いつめているんだ。
ああ言ったことを後悔しているわけじゃない。■■
一度口にしたことをうじうじ思い返してもどうしようもないのに、何がしたいのか。■■
【ユリウス】
「余計なお世話だな。
働くのに必要なエネルギーは摂取している」■■
ユリウスは困った……というより嫌そうな顔をして、私が足元に置いたままにしていた袋に視線を送る。■■
【ユリウス】
「……まさかおまえが作ったとか言うんじゃないだろうな?
怪しい……。何を持ってきたんだ?」■■
「ケーキを焼いてみたの」■■
袋から取り出したケースの蓋を開けて見せると、ユリウスは軽く瞬きをした。■■
【ユリウス】
「ほう……
意外と形になっているな」■■
「私は甘いものは好きじゃないが……。
疲れているときにはいいな」■■
「悪くない。
礼を言うぞ」■■
「どういたしまして。
お気に召したみたいで、よかったわ」■■
その後は差し入れを食べながら、しばらく他愛無い話に付き合ってもらう。■■
エリオットのことは、意識的に頭から追い出した。
考える意味などないことだ。■■
嫌だと言われようと、いつかは帰らないといけないことに変わりはない。■■
【【【時間経過】】】
帽子屋屋敷・エリオットの部屋
エリオットの部屋で過ごすのは、もはや日常になっていた。■■
次の休み(短時間のものだ)が分かっているときには、先に部屋に入って過ごすこともある。
彼は鍵を預けてくれた。■■
「……なんだか、変な感じ」■■
(家族を待つ母みたいな……?)■■
ちょっと違う。■■
あまり深く考えると墓穴を掘ることになりそうだ。
一人でドキドキするなんて、滑稽だ。■■
この世界自体が、夢。
一人で自己完結しているようなものなのに。■■
「…………」■■
時間つぶしに読んでいる本の内容が、頭に入ってこない。■■
この夢は、やけに深い。
読んだことのない本、知らない知識が存在する。■■
夢なので、内容が正しいかどうか分からないのが惜しいところだ。■■
【【【演出】】】……ドアの開閉音
がちゃりと、ドアが開く。■■
「……あ!
お、おかえり!」■■
焦って、思わぬ言葉が出てしまう。
エリオットはこの部屋の主なのだから自然だともいえたが、私が言うには不自然な気もする。■■
【エリオット】
「ただいま、【主人公の名前】……」■■
彼のほうは疑問も感じないようで、さらっと返す。■■
感じないというより、その余裕がないのか。
エリオットは、疲れをにじませていた。■■
「大丈夫?
すごく辛そうよ?」■■
寝不足なのかもしれない。
目の下に隈ができている。■■
「最近、仕事が忙しいの?」■■
エリオットは答えず、よろよろとベッドに寄ってきた。■■
【エリオット】
「……少しだけ休む。
時間帯が変わったら起こしてくれ」■■
「え?
ちょっと……」■■
【【【演出】】】……ベッドに倒れこむ音
eri14_3 私の上に倒れ掛かってくる。
ベッドの中央に陣取っていたので、避けられなかった。■■
「エリオット……!」■■
(重い……)■■
【エリオット】
「……すう」■■
「すうすう……」■■
彼は、もう眠ってしまっている。■■
よほど疲れているのだろう。
下でもがいても、起きやしない。■■
疲れているのなら寝かせてやりたいが、この体勢は重い。■■
(仕事で起こせというのなら、きちんと起こしてあげるけど……)■■
(ゆすったくらいで起きるのかしら……)■■
それ以前に、この体勢ではゆすることもできない。■■
【【【時間経過】】】
帽子屋屋敷・廊下
「あ、エリオット」■■
廊下でエリオットとばったり出くわす。
つい、その顔をまじまじと見てしまった。■■
隈ができるほど疲れ、私を下に敷いたまま眠っていたのはついこの間のこと。■■
相変わらず彼は忙しそうで、食事やお茶会をしていても疲れが見え隠れすることが多い。■■
【エリオット】
「よう、【主人公の名前】。
今は休みだったっけ……、何してんだ?」■■
「特に何も。
エリオット、時間があるならお茶でもどう?」■■
「たしかちょっと前に、もうしばらくしたら短いけど休みが入るって言っていたわよね?」■■
彼の体調や様子が心配だったのもあり、誘ってみる。
エリオットは申し訳なさそうに頭を掻いた。■■
★基本会話から引用↓
【エリオット】
「あ~。悪い。
今また仕事が入っちまってよ……」■■
★基本会話から引用↑
「え……。
そうなの?」■■
【エリオット】
「ああ。
外せない件でな……、休みは先送りになった」■■
★基本会話から引用↓
【エリオット】
「折角会えたのにかまってやれなくてごめんな」■■
★基本会話から引用↑
「謝らなくてもいいわよ。
エリオットが悪いんじゃないもの」■■
軽くイライラし始める。
貴重な短い休みまで奪うなんて、誰の仕業だろう。■■
ブラッドだろうか。
それとも双子がまた悪戯でもして、彼に尻拭いを任せたのだろうか。■■
(…………)■■
(……はあ。
きっと、どっちでもないわね)■■
分かっている。
恐らく誰に強要されたわけでもない。■■
彼は自分から進んで仕事を抱え込むのだ。
率先して働くほどブラッドに忠実だし、根が真面目だから。■■
(分かっているからこそ、余計にイラつく……)■■
そこまで働くな、とも怒鳴れない。■■
★基本会話から引用↓
【エリオット】
「ちゃっちゃと仕事終わらせてあんたに会いに行くからな。
……その間、寂しいからって他の奴のとこ行くなよ?」■■
★基本会話から引用↑
私が黙り込んだせいか、幾分冗談めかして言ってくるのに力が抜ける。■■
「行かないわよ」■■
「そんなことよりあなた、体は大丈夫なの?」■■
入っていた休みまでなくなるなんて、そちらのほうが気になって仕方がない。■■
【エリオット】
「俺?
俺なら大丈夫だぜ~?」■■
「はは、あんたって心配性だな。
あんたと会ってる時間がないのは辛いが、仕事自体は辛くねえ」■■
エリオットはそう言って笑うが、安心し切れない。
彼が仕事に関しては滅多に弱音を吐かないタイプなのは知っている。■■
「エリオット……」■■
【エリオット】
「ありがとうな。
すぐに帰ってくるから、待っててくれよ」■■
★基本会話から引用↑
私が何かを言う前に、エリオットはそう言って私の肩を叩いた。
こんなふうに頼まれて、NOだなんて答えられるわけがない。■■
「……分かっている。
待っているってば」■■
何だか妙な敗北感を味わいながら、呟くように答える。
エリオットは嬉しそうに笑っていた。■■
「……とにかく、仕事頑張って。
もう行ったほうがいいんじゃない?」■■
休みを削るほどなのだから、急ぎの仕事のはず。
エリオットも表情を引き締めた。■■
【エリオット】
「あ、そうだな、行かねえと。
それじゃ【主人公の名前】、また後で!」■■
「行ってらっしゃい」■■
【【【演出】】】・・・走っていく足音
バタバタと走り去っていくエリオットの背中を、しばらく見守る。
柄でもないと思いつつ、見えなくなるまで目が逸らせなかった。■■
【【【時間経過】】】
★全キャラ共通部分ここから↓
【【【時間経過】】】
ナイトメアの夢
ぼんやりとした色の靄が立ち込める。
慣れてしまったこの空間で、現れた夢魔に尋ねた。■■
「この世界のゲームって、なんなの」■■
【ナイトメア】
「唐突だね」■■
「いいから、答えてよ。
この世界でいうところのゲームって、なんなの?」■■
何度かぶつかった言葉を、ナイトメアに向ける。■■
ゲームとはこの世界。
続けなくてはならない。■■
ナイトメアなら、また別の答えを出しそうだ。■■
【ナイトメア】
「生きる意味だ」■■
また、抽象的な言葉。■■
【ナイトメア】
「とても具体的だよ」■■
「この世界は『ゲーム』で成り立っている。
君の世界とは違う」■■
「ゲームが人生のすべてだ、って?」■■
ギャンブラーみたいだ。
遊びやギャンブル、一時なら楽しめるかもしれないが、そんなものが人生だったらたまらない。■■
【ナイトメア】
「ゲームがすべてではないが、ゲームがないと生きていけない。
この世界の住人にとってはね」■■
「ゲームがないと、生きる目的がなくなってしまう」■■
「目的なんかなくても生きていけるわよ」■■
私みたいにだらだらと、大した目的もなく生き続けるのなんか簡単だ。■■
【ナイトメア】
「そうはいかない。
目的がなければ、生きている意味がない。
生きている意味がなくなったら、死んでしまう」■■
「ゲームが必要なんだ。
彼らは他の目的を失っているから」■■
なんだか複雑だ。
精神世界だけあって、目的がない=死になるのだろうか。■■
私が住んだら、すぐに死んでしまいそうだ。■■
【ナイトメア】
「今も住んでいるだろう。
君には意志があって、目的がある」■■
「……読まないで」■■
「どうやって会話しているのか、訳が分からなくなるわ」■■
【ナイトメア】
「おや、失礼」■■
全然悪びれない。■■
「ナイトメアのそういうところ、他の住人に似ているわ」■■
【ナイトメア】
「この世界の人間は、皆どこか似ているんだよ。
根本が同じだからね」■■
「皆が皆、プレイヤーだ。
役付きの人間なんて、似たり寄ったりさ」■■
ゲーム。■■
プレイヤー。■■
ここでは、生きる目的がゲームで、ゲームがあるから生きていけるらしい。■■
【ナイトメア】
「ゲームの内容は、人によって違う。
ルールも様々」■■
「生きる目的さえあればいい。
皆、ばらばらなルールで、ばらばらにゲームに興じている」■■
ルールがばらばらなゲームなんて、ゲームといえないのではないだろうか。■■
【ナイトメア】
「誰かとゲームしたいわけじゃなくて、自分のためにゲームしているんだから関係ない。
自分のルールが有効ならいいわけだ」■■
「あるかないか分からないようなルールね。
そんなの無意味だわ」■■
【ナイトメア】
「ところが、ここの世界では意味がある。
それだけが、生きる意味といってもおかしくない」■■
生きる意味がゲームなんて、それこそ無意味に感じられる。■■
「領土争いがゲームにあたるのね」■■
【ナイトメア】
「そう。だが、それだけじゃない。
定期的に出会い、そして撃ち合うことがゲームだ」■■
「役柄は選べない。ゲームの元を支える役があり、陣地があり、支える役や対立関係がある。
ルールからは逸脱できない」■■
「役付きの者達はルールを作れる。
それを元に、皆がそれぞれのゲームを作り出している」■■
「元になっているから、彼らはどうやったってゲームから降りられない」■■
「……ややこしいわ」■■
「そんな楽しくもないゲーム、やめちゃえばいいのよ」■■
撃ち合うゲームなんて、楽しくもなんともない。■■
【ナイトメア】
「そうしたら、生きる意味がなくなるよ」■■
ナイトメアは楽しそうに、しかし、自嘲するようだった。■■
「それじゃ、勝敗をつけることも出来ないじゃない」■■
やめられないゲーム。
それがなくなると生きる意味までがなくなるというのなら、勝ち負けを決めることも出来ない。■■
【ナイトメア】
「そうだよ。勝者は決まらない。
勝敗がつけば、またすぐに次のゲームがスタートする」■■
「誰かが死んでも、すぐに代わりが現れる。
役持ちの人間も、そうでない人間も、欠けるわけにはいかない」■■
「ここは、終わらないゲームの世界なんだよ、【主人公の名前】」■■
(そんなゲーム……)■■
(……ゲームと呼べないわ)■■
心を読めるはずのナイトメアは、答えてくれない。■■
【【【時間経過】】】

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