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ハートの国のアリス
~Wonderful Wonder World~

『ブラッド=デュプレ ■03話_2』

◆帽子屋屋敷・廊下◆
【ブラッド】
「お嬢さん……。
【大】逃げたな?【大】」■■
「【大】!!【大】」■■
屋敷に戻って来るなり、廊下の脇道からゆらりとブラッドが現れる。
その顔は、やや青ざめていた。■■
(私がいなかったから、今回は一人でエリオットの攻撃を受けたのね)■■
しかし、ここ最近はずっと私がその役を負わされていたのだ。
たまには戦線離脱もいいではないか、と思う。■■
「お茶会に参加できなくてごめんなさい。
でも、逃げたっていうのは人聞きが悪いわよ」■■
「約束があったんだもの。
仕方ないでしょう」■■
【ブラッド】
「約束、ね。
君がしっかり約束を取り付けるほど、他領土の人間と親しくしているとは知らなかったよ」■■
「!
し、失礼ね、どういう意味よ!」■■
見透かされているのだろうか。
ブラッドは探るでもなく、ただ怠そうな顔でこちらを見ている。■■
【ブラッド】
「次回のお茶会は、是非参加してくれ。
そう何度も、私の誘いを断ったりはしないだろう?」■■
「え?
それは……」■■

1:「約束はできない」(非滞在フラグ)
2:「分かった」

2:「分かった」
「分かったわ。
次は必ず参加する」■■
今回はブラッドに押し付けてしまった。
出来れば今後もそうしたいところだが、さすがに可哀想だろう。■■
きっぱり告げると、ブラッドは満足げに頷いた。■■
【ブラッド】
「そう言ってもらえて安心したよ。
次回は是非あのオレンジ色の物体の処理を……いや、エリオットの話し相手をしてやってくれ……」■■
(いや、それ、どっちにしろ意味は同じでしょう……)■■
【ブラッド】
「……とにかく、そういうことだ。
君のいない茶会は、盛り上がりに欠けるからね、よろしく頼むよ」■■
最後にそう言って、ブラッドは覇気のない足取りで去っていった。■■
【【【時間経過】】】
◆帽子屋屋敷・廊下◆
【エリオット】
「アリス~~。
聞いてくれよ。ブラッドがひでえんだぜ」■■
出会い頭、いきなりエリオットが落ち込んだ顔で泣きついてくる。■■
「なに?
どうしたの?」■■
【エリオット】
「俺がせっかく用意してやった食事を見て、『気分が悪い』って言うんだ……」■■
「美味いものばっかり並べてやったのに……」■■
「え?
それは……」■■
「本当は好きなものばかりだから、嬉しくて照れているんじゃない?」■■
間違ってもそんなことはないだろうが、エリオットのためにとりあえずそう言ってみる。■■
彼は、はっと目を見開いた。■■
【エリオット】
「……!!」■■
「そうなのかっ?!
そうだったのか、ブラッド……」■■
「俺、そんなことも気づかずに自分勝手に食いまくって……」■■
「俺って酷い奴だ……」■■
「いえ、そこまで気に病む必要はないと思うわよ」■■
適当に言ったのに、本気で落ち込まれても困る。
だが、エリオットは前向きだった。■■
【エリオット】
「よし!
今日はあいつにフルコースをご馳走してやるぜ!」■■
「【大】それはやめておこうか【大】」■■
切欠が私との会話だなんて知られたら、こっちが殺されかねない。■■

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