★2:「帽子屋屋敷」
「帽子屋屋敷かしら」■■
個性の強そうなメンバーの集まるマフィアグループ。
とりわけボスであるブラッドは、私にとって苦手な存在だが、その分だけ気に掛かる相手でもあった。■■
(初恋の相手にそっくりな男と、ウサギ耳男に双子)■■
(あんなのがマフィアだなんて無茶苦茶だけど、妙にはまっていたというか……)■■
茶会の誘いは断ったのだが、何となく気になる。
興味を持ってしまうのは、怖いもの見たさのような心境からだろうか。■■
【ユリウス】
「帽子屋屋敷……、何だってあんなところが気に掛かるんだ?
マフィアの本拠だぞ???」■■
「といっても、マフィアの本拠なんて、まるで実感を持てないんだもの。
マフィアなんて、私の日常生活に縁がなかったわ」■■
【ユリウス】
「だからといって、縁を作る必要はないだろう。
実感を持てるまで近付く必要もない」■■
「……もっともね」■■
(だけど、これは夢だから……。
危険を危険だと認識しにくいのよ)■■
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