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ハートの国のアリス

『新装版ハートの国のアリス・予約特典 ■新装版・予約特典(前)』

「新装版・ハートの国のアリス・予約特典CD」用
ドラマ台本
            スタッフ・声優用

QuinRose

原作・脚本 五月攻
編集・音楽 鞠

メリー=ゴーランド   CV:堀内賢雄さん
ボリス=エレイ     CV:杉山紀彰さん
ブラッド=デュプレ   CV:小西克幸さん
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1:プロローグ(ゴーランド・ボリス・ブラッド)

● 場面(遊園地・園内)
【【【演出】】】・・・遊園地のアトラクションなどの賑やかな音楽
【【【演出】】】・・・人々のざわめき、歓声
【【【演出】】】・・・歩いてくる足音
【ボリス】
「あ、おっさん、ちょうどいいところにいた!ねえ、アリスを見なかった?」■■
【ゴーランド】
「ん、アリスか?あいつなら、出掛けてるぜ。帽子屋屋敷に行った」■■
【ボリス】
「え、帽子屋屋敷?って、この前も行ってなかったっけ?」■■
【ゴーランド】
「行ってたな。帽子屋の奴が、頻繁にお茶会に誘ってやがるんだよ。紅茶は美味いし、あそこの連中と話すのも楽しいとかで、アリスもまんざらじゃないみたいでさ……」■■
【ボリス】
「お茶会に、ね。へえ……。たしかに、あそこはディーとダムもいるし、帽子屋さんとナンバー2さんの漫才みたいな会話を聞いてるのも、けっこう面白いけど……」■■
【【【演出】】】・・・がーっと、頭上をジェットコースターが走り抜ける音
【【【演出】】】・・・周囲の賑やかで楽しそうなざわめき
【ゴーランド】
「……賑やかさと面白さでいえば、うちも負けてないと思うんだけどなぁ。アトラクションも大体乗っちまったし、飽きてきたのかもな」■■
【ボリス】
「何しけた声出してるんだよ、おっさん。これって、かなり由々しき事態じゃないの?」■■
【ゴーランド】
「は?なんだ、いきなり?どういうことだ?」■■
【ボリス】
「だって、アリスは遊園地に住んでいるっていうのに、帽子屋屋敷に入り浸り……。遊園地が、マフィアの屋敷に負けているってことなんだぜ?」■■
【ゴーランド】
「ぐ……っ。そりゃそうだが、アリスがそれが楽しいってんなら……」■■
【ボリス】
「弱気なこと言ってる場合じゃないって!どうするんだよ、このままアリスが今以上に帽子屋屋敷のほうが居心地良くなって、滞在地を変わりたい、なんて言い出したら……」■■
【ゴーランド】
「えっ!?そ、そりゃ困る!」■■
【ボリス】
「だろ?あの子はうちの子だ、みすみすマフィアになんてくれてやれないよ」■■
【ゴーランド】
「そうだな!俺としたことが、何を弱気になってたんだか。
遊園地は最高に楽しい所だ!マフィアの屋敷になんて負けてられねえ!」■■
【ボリス】
「そういうこと。ここは、遊園地の威信を賭けて、帽子屋屋敷に挑むべきだぜ。アリスの心を、こっちに取り返さなきゃ」■■
【ゴーランド】
「ああ、おまえの言う通りだ、ボリス。だが取り返すっつっても、どうするんだ?」■■
【ボリス】
「え?それはもちろん、決まってるだろ。……して、……するんだよ」■■
【ゴーランド】
「はあ?そんなことで、アリスの関心が取り戻せるのか……?」■■
【ボリス】
「もちろんだよ!むしろ、これ以上の良策はない!アリスも帽子屋屋敷なんかより、うちにいるほうがいいって思うさ」■■
【ゴーランド】
「うむ……、そう言われると、段々とそんな気がしてきた。よし分かった、やってみよう!」■■
【ボリス】
「そう来なくっちゃ。頼むぜ、おっさん!」■■
【【【時間経過】】】
● 場面(帽子屋屋敷・ブラッドの部屋)
【【【演出】】】・・・ノックの音
【ブラッド】
「……なんだ?……なに、遊園地から書状?……分かった、持って来い」■■
【【【演出】】】・・・ドアの開閉音
【【【演出】】】・・・ブラッドのところまで歩いてくる使用人の足音
【ブラッド】
「ご苦労、貸してくれ。……下がっていいぞ」■■
【【【演出】】】・・・ドアに歩いていく使用人の足音
【【【演出】】】・・・ドアの開閉音
【【【演出】】】・・・手紙を動かして紙の擦れる音
【ブラッド】
「たしかにゴーランドからの書状のようだな。しかし、なんだこれは?果たし状、だと……?」■■
【【【演出】】】・・・書状を開封する音
【【【演出】】】・・・中の紙面を出し、広げる音
【ブラッド】
「ふ……、くっくっく。これは面白い。私からお嬢さんを取り返す、と……」■■
【【【演出】】】・・・ぱさ、と紙面を机上に放り投げる音
【ブラッド】
「私にお嬢さんを取られた気になっているのか。しかもそれは、今の遊園地に魅力が足りないからだ、と……?」■■
【【【演出】】】・・・ここから手紙の文面。エコー効果などで区別↓
【ゴーランド】
『あんたからアリスを奪い返すために、遊園地は大幅なリニューアルを行なった。生まれ変わった遊園地で勝負だ!次の夜の時間帯に、おまえ一人で遊園地に来い』■■
【【【演出】】】・・・ここまで手紙の文面。エコー効果などで区別↑
【ブラッド】
「面白い。あのような騒々しい場所は好まないが、いい暇つぶしにはなりそうだ。付き合ってやろう」■■
【【【時間経過】】】
● 場面(遊園地・園内・通路)
【【【演出】】】・・・カツカツ、と歩いてくる足音
【ゴーランド】
「よう。ちゃんと来たか、帽子屋」■■
【ブラッド】
「ご招待に預かったのでね。それに、あんな挑発的なことを書かれていては無視するわけにもいかない。私も、お嬢さんのことは気に入っているんだ」■■
【ボリス】
「気に入るなとまでは言わないけど、出しゃばりすぎだぜ、帽子屋さん。そろそろ、きっちりけじめ付けさせてもらうから」■■
【ブラッド】
「……猫の独占欲、か。まったく、動物というのはこれだから……」■■
【ボリス】
「いやいや、あんたんとこの動物は我を忘れて突っ走っちゃうけど、俺はそんなことないぜ?今回のリニューアルは、俺とおっさんで綿密な計画を立てて、全身全霊を賭けて施したんだ」■■
【ゴーランド】
「その通りだ。いまだかつて、これほどまでに完成度の高いアトラクションを揃えられたことはないぜ」■■
【ブラッド】
「……御託はいい。それで、勝負の内容というのは?」■■
【【【演出】】】・・・パラ、と紙を広げる音
【ブラッド】
「この書状には、『遊園地で我々と勝負をして、負ければアリスから手を引くように』としか書かれていないが……」■■
【ゴーランド】
「そう。俺と、ボリスと、あんた。三人で、ここで勝負するんだよ」■■
【ブラッド】
「だから、どんな勝負なんだ?ご丁寧に閉園して、貸切状態にまでしているようだが、アトラクションは全部止まっているじゃないか」■■
【ゴーランド】
「ああ。勝負は、遊園地全体を使うことになるからな。今晩は通常営業できない、対外的には休園している」■■
【ボリス】
「今運転を止めているのは、電力が持たないからだよ。勝負中にフル稼働できるように、温存中ってわけ」■■
【ゴーランド】
「あんたも来て、面子は揃った。そろそろ、いいだろう」■■
【【【演出】】】・・・ピィッとゴーランドが口笛を吹く音
【【【演出】】】・・・カッと、園内のライトがつく音
【ブラッド】
「……っ!無粋だな……、静かな闇夜を、こんな作り物の灯かりで台無しにするとは」■■
【【【演出】】】・・・周囲で色々なアトラクションが一斉に動き出す音
【【【演出】】】・・・鳴り出す、アトラクションの陽気な音楽
【ゴーランド】
「この煌びやかさこそが遊園地の魅力なんだよ!帽子屋……、あんたに挑む勝負は、この遊園地全体を使っての、宝探しゲームだ!!」■■
【【【演出】】】・・・ドーン、やジャジャーン、いう感じの効果音
【ブラッド】
「はあ……っ!?」■■
【【【時間経過】】】

前説(ゴーランド・ボリス・ブラッド)

【【【演出】】】・・・ぴんぽんぱんぽん、とお知らせ風の音
【【【演出】】】・・・遊園地の賑やかな音楽
【ボリス】
「やあ、遊園地へようこそ!あんたが来てくれるの、すっごく楽しみに待ってたんだぜ。さあ、何から乗ろうか?俺のお勧めは、あそこのリアル・暴れ馬式メリーゴーランドなんだけど……」■■
【【【演出】】】・・・がしっとファーを掴む音
【ブラッド】
「待て、チェシャ猫。今は遊ぶときではない、前説の時間だ。私が説明する分が増えてしまうから、いなくなられては困る」■■
【ボリス】
「わわわっ、ファーを鷲掴みしないでよ!毛が抜けちゃうだろ!!」■■
【ゴーランド】
「理由はともかく、帽子屋の言う通りだ。遊園地で遊ぶほうが楽しいのは分かるが、ここもサボるんじゃねえぞ、ボリス」■■
【ボリス】
「はいはい、分かったよ。いればいいんだろ、いれば」■■
【ゴーランド】
「そうそう、そこでじっとしてろ。……じゃあ、始めるか。
このCDは、クインロゼより発売されたPSPゲーム『新装版・ハートの国のアリス』予約特典CDだ。このCDを聞いてるってことは、もちろん分かってくれてるよな?
特典ってことだから当然、このドラマCDはゲーム本編の内容に沿ったものになっている。つまり、ゲームをプレイしてから聴いたほうが楽しめるってことだ」■■
【ブラッド】
「早く私の声が聴きたいからといって、ゲームを始める前に聴き出しているお嬢さんはいないかな?もし当てはまっていたら、残念だが今これ以上を聴くことは、お勧めしない」■■
【ボリス】
「そうそう。プレイ後っていうのが前提のドラマだから、ゲーム本編のネタばれが出るかもしれないし、俺達のことをよく知らない状態で聞いたところで、あんまり理解できないと思うよ」■■
【ゴーランド】
「このドラマCDは特典ってことで、企画ものに当たる。ゲーム外のもの。このドラマCDの中でのことは、あくまでここだけのことというわけだ。本編を前提として、関係性なんかにちょっとしたアレンジがあるかもしれない」■■
【ブラッド】
「本編ではあまり親しくないキャラクター同士が仲良くしていたり、逆に険悪な関係になっていたり、というよう特殊事態だな。だが、すべて本編を前提とした企画だ。ドラマCD内の出来事や人間関係を、本編の裏設定だと勘違いしたりしないように。本編前提でのパロディ的な扱いだ」■■
【ボリス】
「そういう意味でも、本編をプレイ後に聴いてほしいってこと。いい子のあんたなら、分かってくれたよね?」■■
【ブラッド】
「くれぐれもルールを守ってくれ。……私も、お嬢さんとの逢瀬を、存分に楽しみたいのでね」■■
【【【演出】】】・・・ぴんぽんぱんぽん、とお知らせ風の音