アニバーサリーの国のアリス・エリオット滞在ルート06
【【【時間経過】】】
帽子屋屋敷・エリオットの部屋
【エリオット】
「休みがもっとあればいいのに……」■■
エリオットはうとうとまどろんでいた。
目が閉じかけている。■■
私は、暇さえ合えば彼の自室で過ごすことが多くなった。■■
特に、何かするわけではない。
適当にごろごろしたり、本を読んだり……。■■
それが、いつもの生活になりつつあった。■■
「前に約束した遠出をしたいの?」■■
【エリオット】
「それもいいが……」■■
うとうとうと……。■■
エリオットは眠ってしまいそうだ。
眠るか眠らないかのぎりぎりのところで留まっている。■■
【エリオット】
「今もいい……」■■
「?」■■
眠たいせいか、エリオットの言葉は不明瞭だ。■■
【エリオット】
「長い休みは、なかなかとれないし……」■■
「……出かけなくても、こうやってだらだらしているのもいいもんだなって思ったんだ」■■
やはりどこか不明瞭な感じに紡がれる言葉。■■
「出掛けるのは、もういいの?」■■
【エリオット】
「……嫌だ」■■
【【【演出】】】・・・きゅっと手を握る音
きゅっと手を握られる。■■
【エリオット】
「休みがとれたら、どこかに出かけような」■■
「うん、いいわよ。
休みがとれたら、ね」■■
【エリオット】
「……約束だぜ」■■
【【【演出】】】・・・ぎゅううっと手を握る音
ぎゅううっと、力が入る。■■
「い!?
痛い痛い痛い痛い!!!」■■
「覚えてる!
忘れてないから!!!」■■
【エリオット】
「……あ、すまん」■■
「……すまんじゃないわよ」■■
(前に耳を引っ張ったこと、根に持っているんじゃないでしょうね……)■■
エリオットに、加減なく力を込められれば相当なものだ。
手がひりひりする。■■
【エリオット】
「……?」■■
「?
どうしたの???」■■
掴んだ手を持ち上げられ、手のひらをじろじろと見られた。■■
「なによ???
手に汗かきやすいんだから、離して」■■
【エリオット】
「……あ、ああ。
すまねえ」■■
はっと気付いた様子で、エリオットはすぐに手を離す。■■
「……謝ってばっかりね」■■
【エリオット】
「るせえな……。
ちっと不思議だっただけだよ」■■
「……?」■■
(何が???)■■
じろじろ見られた手を見返すが、おかしなところはない。
いつもの私の手だ。■■
(この手の、どこが不思議だっていうの?)■■
【【【時間経過】】】
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