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ハートの国のアリス
~Wonderful Wonder World~

『エリオット=マーチ ■05話_1』

アニバーサリーの国のアリス・エリオット滞在ルート05

★全キャラ共通部分ここから↓
【【【時間経過】】】
ナイトメアの夢
【ナイトメア】
「うう……」■■
「ナイトメア!?」■■
「だ、大丈夫なの……?」■■
ナイトメアは具合が悪そうだ。
……いつものことだが。■■
【ナイトメア】
「吐血しそうだ……」■■
「しそうっていうか……、しているわよ?」■■
だっら~~~っと、口から血が流れている。■■
【ナイトメア】
「うう……。
寒気までする……」■■
「あんた……、本当にヤバイんじゃないの……?」■■
本当にも何も、明らかにヤバイ。
生きているのが、いっそ不思議だ。■■
ナイトメアは、どうして生きていられるのか。
この不思議の国、最大のミステリーかもしれない。■■
……かなりギリギリ感溢れるミステリーだ。■■
「お医者さん行きましょう、お医者さん」■■
【ナイトメア】
「……嫌だね」■■
「なんで……」■■
【ナイトメア】
「【大】注射が嫌いなんだ、私は【大】」■■
「…………」■■
「…………」■■
「【大】あんた、いくつよ?【大】」■■
初等科の子でも言うか言わないかな拒否理由だ。■■
「子供みたい……」■■
【ナイトメア】
「注射は嫌だ。
子供でいい……」■■
ナイトメアは、ぐるぐると毛布を巻きつけ、具合悪そうに俯く。■■
その様子ときたら……。■■
「蓑虫ね……」■■
【ナイトメア】
「……ん?
ああ、そうだよ。誰かに聞いた?」■■
「……?」■■
【ナイトメア】
「ここの世界の人間は、皆二つ名があるんだ。
地位がそのまま呼び名になっていることもある」■■
「私は、蓑虫と呼ばれているんだよ……」■■
「え……。
本当に……?」■■
【ナイトメア】
「ああ……」■■
蓑虫状態のナイトメアは、こくこくと頷く。■■
「あんた……」■■
「……あだなにされるくらい、いつも【大】そんな【大】なの?」■■
【ナイトメア】
「違う。
毛布じゃなくて……」■■
「いつも、夢に包まれて、出てこないからだ。
私はそういう役割なんだよ」■■
「ふうん……」■■
「……それにしたって、蓑虫とは……」■■
初等科の子なら、軽いいじめのようなあだ名だ。■■
【ナイトメア】
「蓑虫ならまだいい……。
芋虫と呼ばれることもあるんだ……。それは許せないよ……」■■
「蓑虫のほうがいい……。
私は蓑虫のままでいる……」■■
(蓑虫と芋虫……)■■
(……【大】どう違うんだ?【大】)■■
違うものだというのは分かるが……、どちらでも嫌がらせとしか思えない。■■
「……嫌じゃないの?」■■
【ナイトメア】
「他の奴だって、似たり寄ったりさ。
私だけじゃない」■■
「そういえば……」■■
「……どれも品がいいとは言えないあだ名ね」■■
帽子屋・三月ウサギ等も、差別とまではいかないが、とてもいいあだ名とはいえない。
侮辱するような裏の意味がある。■■
それらを受け入れていることが信じられない。■■
「子供みたい」■■
そんなあだ名をつけるほうも、つけられるほうも。■■
【ナイトメア】
「……ふふ」■■
「先刻、いくつかと聞いたけど……、私達に年齢なんてない。
いつまでも子供で、最初から大人なんだ」■■
「永遠の子供ってわけ?」■■
偉そうにのたまうことなのだろうか、それは。■■
【ナイトメア】
「そうだよ。
狭間の世界だからね」■■
「ふ~ん、そうなんだ……」■■
ちろりと、冷たい視線を投げかける。■■
【ナイトメア】
「な、なんだ……?」■■
「この世界って、本当に変で、子供っぽい人ばかりよね……」■■
【ナイトメア】
「……私も含まれているのか?」■■
「【大】もちろん【大】」■■
注射が怖いからお医者さんに行きたくない男なんて、変に決まっているだろう。■■
【ナイトメア】
「うう……。
注射は嫌なんだ……」■■
「いくら具合が悪かろうと、医者には絶対に行かないからな」■■
「……死ぬわよ?」■■
吐血なんて、「具合が悪い」の域を越えている。■■
【ナイトメア】
「死んでも行かない……」■■
大きな蓑虫さんは、そう言って毛布をかき集める。■■
「心配しなくても、死んだら行けないわよ……」■■
【【【時間経過】】】
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【【【時間経過】】】

他領土の友人に会いに行く途中。
森の中の小道で思い掛けない光景に出合い、ぎくりと足を止めた。■■
「……!!!」■■
倒れている人がいる。
男性だ。■■
じっと見るが、ぴくりとも動かない。
生きているのか死んでいるのかも分からない状態で……。■■
(……って、何をのんきな……)■■
見ている暇があるなら、助けなくては。
重病人や怪我人ならば、誰かを呼ばなくてはならない。■■
ぼさっと突っ立っている場合ではない。
とりあえず様子をみようと、近づく。■■
「……?」■■
……近づけない。
近くへ行こうとしても、それ以上は近寄れない。■■
(……な、なんで……)■■
距離をとって、見ているだけ。
小瓶を見るように、じっと見るだけ。■■
(……どうして?)■■
【【【演出】】】……不思議サウンド(頭がぼんやりする音?)
頭がぼんやりする。■■
(…………)■■
【【【時間経過】】】
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