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原文&挿絵&解説

『51~60 ■59:ファイフにある田舎家に』

sashie059

59. In a cottage in Fife
Lived a man and his wife,
Who, believe me, were comical folk;
For, to people’s surprise,
They both saw with their eyes,
And their tongues moved whenever they speak!
When quite fast asleep,
I’ve been told that to keep
Their eyes open they could not contrive;
They walked on their feet,
And ‘twas thought what they eat,
Helped, with drinking, to keep them alive!

【ファイフにある田舎家に
一人の男とその妻が住んでいたが
本当におかしな二人だった。】
【だって 驚いたことに
ふたりとも目でものを見たし
ものを言うときには舌を使ったのさ。】
【ぐっすり寝ているときには
どんなに頑張っても
目を開けていられなかったのさ。】
【二人とも足で歩いたし
飲み物と食べ物のおかげで
二人は生きていけたと考えられたのさ。】

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解説:
マザーグースのナンセンス手法の一つに「自明のことを並べる」というのがあるが、この唄は長いものの代表的存在と言っていい。
特定の場所の特定の夫婦を取り上げている風を装いながら、人間に関して当たり前のことをつぎからつぎへと、さも大事な事でもあるかのように、並べ立てているだけなのだ。
それでいて全体的にはコミカルでナンセンスな小世界が現出しているのである。