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マザーグースの秘密の館

『アーサー(貴族)ルート ■アーサー04』

■ 全問正解イベント4

【【【時間経過】】】
◆クイズ時と同じ背景。クイズ終了後に、そのままイベントに入ります。
【アーサー】
「全問正解おめでとう、エリカ。
よく頑張ったね!」■■
「君がそれだけ頑張ってくれるのは、私との息抜きを楽しみにしていてくれるからだと思ってもいいかな?」■■
「【大】家に帰りたいからよ【大】」■■
【アーサー】
「ふふ、照れなくてもいいんだよ、エリカ。
さて、それだけ楽しみにしてもらっているのなら、私も張り切ろうかな」■■
「……人の話、聞いていないでしょう」■■
「もう、4回目よ?
満点をとるの、4回目!」■■
【アーサー】
「まだまだ足りないねえ。
というわけで、今日も私と散歩に出かけるとしようじゃないか」■■
「……はあ。
いいけどね」■■
【アーサー】
「おや、いいの?」■■
(散歩自体は嫌いじゃないし……)■■
何もなくとも、話しているだけでファンタジックな気分にさせてくれる。■■
(……こんなふうに穏やかに過ごすのって、変な感じ)■■
この心境こそが、ファンタジーに思える。■■
「アーサーさんの話は、毎回面白いもの。
この前の妖精の話も面白かったわ」■■
「ああいう話、他にもある?」■■
【アーサー】
「そうだねえ。
君と散歩をしていたら、思い出すかもしれないな」■■
(……おかしな人)■■
「それじゃあ、行きましょう。
私も最近、散歩が好きになったの」■■
【【【演出】】】・・・二人歩き出す足音
【【【時間経過】】】
◆二人で住宅街散歩
住宅街を歩く二人。
◆二人が歩いている歩道は各家の庭に面していて、イギリスの古いスタイルの住宅が並んでいる。
◆落ち着いた閑静な住宅街といったイメージ。
【アーサー】
「オカルト繋がりで、ちょっと系統は違うけれど……、ミステリーサークルというものを知っているかな?
ほら、UFOの着地跡だとかいろいろ言われている……」■■
「ああ、知っているわ!
大きな幾何学模様が、畑に突如現れるのよね?」■■
「宇宙人からのメッセージだとか、プラズマが原因だとか……。
いろいろと説があるのは私も知っているわ」■■
【アーサー】
「そこまで知っているのに……、惜しいね。
つい最近、あれを作っていた人物達が自白したというのは?」■■
「【大】え?【大】」■■
「じ……、自白って、何それ、ええ?
つまり、ミステリーサークルも捏造だったってこと?」■■
【アーサー】
「そういうことだね。
二人の男が、あれは自分達のやったものだと白状してきたそうだよ」■■
「えええ??」■■
「だって、あれ、とても複雑で植物を編むように倒されていて……。
人の手では無理だって聞いたことあるわよ?」■■
【アーサー】
「その辺りについても、彼らは説明をしているよ。
なんでも、念入りにコンピューターを使って設計図を作ってから、実行に移していたらしい」■■
「それもね、ずいぶんと微笑ましいエピソードがあるんだよ」■■
「微笑ましいエピソード?」■■
【アーサー】
「彼らは英国で活躍していたんだが……。
その頃のミステリーサークルは、土曜の朝に発見されることが多かったんだ」■■
「そのため、金曜の夜に何があるのかと人々は首を捻った。
どんな法則でもって、宇宙人が地球にやってくるのかとね」■■
「でも、それは人の手によるものだったのよね?
どうして彼らの活動は、金曜の夜に限っていたの?」■■
【アーサー】
「それがね、可愛いんだ。
彼らのうちの一人は結婚して妻がいたのだけれど……、彼女が夫の夜遊びを許したのが金曜日だけだったんだ」■■
「……ぶっ。
そ、そんな理由で?」■■
【アーサー】
「そう、そんな理由で。
可愛いだろう?」■■
「か、可愛いけど……。
奥さんも、まさか自分の旦那がミステリーサークルを作った犯人だなんて思わなかったでしょう」■■
「夜中にこそこそ出掛けていくのを見ていたら、不安になってしまったりしそうだわ」■■
【アーサー】
「そうだね。
結局、彼女は不安に耐えられなくなり、夜中にこそこそと出掛けていく夫を問い詰めたんだ」■■
「それで、彼は白状したの?
それとも……」■■
【アーサー】
「彼はその悪戯と引き換えに家庭を失う……、なんてことはしたくなかったようだね。
奥さんに、ちゃんとすべてを話したそうだ」■■
「奥さんはどうしたの?
やっぱり夫を止めて……、ああ、もしかして、それで彼らは自分達が犯人だと名乗り出たの?」■■
【アーサー】
「ふふふ、違うね。
彼女はね、面白がって、彼らの仲間になったんだ」■■
「!?
な、仲間になっちゃったの?」■■
【アーサー】
「その通り。
だからね、彼女が仲間に入ってからは、ミステリーサークルは土曜の朝以外にも見つかるようになった」■■
「もう、こそこそと金曜の夜に出かける必要がなくなったんだからね。
三人は、その悪戯をとても楽しんでいたようだよ」■■
「そんなに楽しんでいたのに、それじゃあ、どうして白状したりしたの?
そのまま内緒にして、宇宙人の仕業ということにしておけばよかったのに」■■
【アーサー】
「それがね、彼らが言うには……、ミステリーサークルを通して宇宙人を信じる人が増えすぎたんだそうだよ」■■
「増えすぎた?」■■
【アーサー】
「そう、増えすぎたんだ。
結果、彼らの良心は痛んだ」■■
「彼らの作ったミステリーサークルを巡って、国立の大学が研究を始めてしまったのだからね。
まさか、そこまで信じられるとは思わなかったんだろう」■■
「そこまできちゃうと、おおごとすぎるものね……」■■
【アーサー】
「ああ、それで、彼らは出頭したわけだ。
自分達の悪戯のせいで、国税が無駄に使われてしまうのは忍びない、ということで」■■
「……世の中いろいろ不思議なことがあるけど。
その不思議なことの犯人は、大概が人間なのね」■■
【アーサー】
「うん、世の中で一番謎なのは人だというのは、真理だよ。
でも、それ以外だという場合もある……」■■
「……おや、もう館の前についてしまった。
今回も、あっというまだったね」■■
「……もっと、話が聞きたいわ」■■
【アーサー】
「私も、君ともっといろいろな話がしたいと思うよ。
でも、もう暗くなるからね……」■■
「ねえ、また私にいろいろ教えてくれる?」■■
【アーサー】
「帰してくれ、とは言わないのかな?」■■
「……まだまだ、なんでしょう?」■■
【アーサー】
「そうだね、まだまだだ。
……帰すにはまだ早い」■■
【【【時間経過】】】

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