★以下の条件を満たす場合、「ブラッド・女王END1」ここから↓
・「女王・ブラッド」6回目まで発生
・ブラッド滞在12で「1:いざ、倒錯の世界へ……」を選択している
◆帽子屋屋敷・薔薇園◆
私は、何かに誘われるように薔薇園に向かった。■■
そうしなくてはならない。
誰かを待たせている気がする。■■
早く行かなくては……。■■
【ビバルディ】
「……アリス」■■
【ブラッド】
「……そろそろ、来る頃だと思っていた」■■
誰かを待たせている。
そんな相手は、この二人しかいない。■■
この薔薇園には、他の誰も入れないのだ。
美しい姉弟、そして、場違いな私。■■
それでも、ここに来るたび喜びを感じる。
共にいられることが幸せだ。■■
【ブラッド】
「帰る準備ができてしまったんだろう」■■
それが、なんのことか、もう私には分かっている。
そして、何故か二人も知っている。■■
【ビバルディ】
「帰る前に、きちんと挨拶に来ることは知っていたよ。
おまえは礼儀正しい子だもの」■■
【ブラッド】
「お別れの挨拶、か?」■■
「違う」■■
礼儀のためではない。
お別れも言いたくない。■■
「私……、ずっと、この世界が夢だと思っていたの」■■
「今もそう思っている。
夢みたい……」■■
瓶は、もう一杯だ。■■
砂時計とは逆で、溜まるほどにタイムリミットが近付いていた。
それでも、帰れないのは、ここに未練があったからか。■■
「……元の世界に戻ったら、ここでのことは全部が夢になるわ」■■
「誰に言っても信じないだろうし、私自身が長くて深い夢だったと片付けちゃう……」■■
【ブラッド】
「この世界が夢だったと思うのか。
私も、姉貴のことも、全部」■■
「今は、誰に認められなくても現実だって分かるわ」■■
元の世界に戻っても、最初のうちは、夢ではない・現実だったと思いたがるだろう。
この二人に会ったことも、空想ではないと。■■
だが、時間が経てばどうだろう。
その世界に二人はいなくて、なにもなかったように時間は過ぎていく。■■
「でも、元の世界でどんなに捜しても、ブラッドとビバルディはいないでしょう」■■
「私は、時間が経ったらきっと、夢だったと思い始めるわ。
捜すのに疲れて、自分の空想だったと信じ込む」■■
ペーターに薬を飲まされ、これが夢だと思い込んだのと同じように。
私は、自分に薬を飲ませる。■■
「……ここに来るのも、これが最後になるかもしれない」■■
もう、いつ戻ってもおかしくないことは分かっていた。■■
この二人と、永遠に会えなくなる。
元の世界に戻ったら、これらはすべて夢になるのだ。■■
【ビバルディ】
「それが、おまえの望みなのか?
アリス」■■
【ブラッド】
「君は、私と離れて、今までのこともすべて夢になってしまっても構わないのか?」■■
やはり、この二人はお似合いだ。
のんきにも、見惚れてしまう。■■
【ビバルディ】
「悲しいぞ?
わらわと離れ、忘れてしまおうなどと……」■■
【ブラッド】
「……到底、許せないな」■■
二人とも、冷たい表情がよく似合う。■■
「だって……、瓶が一杯になってしまったんだもの。
元の世界に戻ってしまうわ」■■
瓶は一杯で、溢れてしまいそうだ。■■
これが時計代わり。
帰らなくてはならないという合図。■■
教えられなくても、知っていた。■■
急かされている気がする。
だが、薔薇園に行かなくてはという気持ちのほうが強かった。■■
だから、私はまだここにいる。■■
【ビバルディ】
「……おまえは、この国へ来た直後に、その薬を飲まされたのだろう?」■■
「そうだけど……」■■
「……どうして知っているの?」■■
【ビバルディ】
「ホワイトめに聞いたのだ。
おまえを帰したくないが、どうすればいいかと」■■
「あやつも、おまえに帰ってほしくない気持ちは同じようだ。
珍しく素直に教えてくれた」■■
【ブラッド】
「ペーター=ホワイトは信用ならない奴だ。
姉貴を利用して、後で掻っ攫う気なんだろう」■■
【ビバルディ】
「構わん。
利用しかえしてやるまでのことじゃ」■■
「……この子に関しては、おまえはわらわの味方だからな。
ホワイトの奴も、帽子屋がわらわについているとは思うまい」■■
【ブラッド】
「誰も考え付かないだろうな。
絶対に気付かない……」■■
私達二人が組んで隠してしまえば。
宝物を隠す算段をする子供達のように、二人は囁き合い微笑み合う。■■
ブラッドは、いつの間にか私の後ろにまわっていた。■■
がっちりと後ろから拘束される。
身動きがとれない。■■
「な……!?
何するの、ブラッド!?」■■
「離して!
……!?
ビバルディ!?」■■
【ビバルディ】
「ふふ……。
これが、件の薬瓶じゃな」■■
「ホワイトが、おまえに口移しで飲ませたとかいう……」■■
満足そうな顔が、思い出したように不快そうなものに変わる。■■
【ブラッド】
「……ペーター=ホワイトは始末しよう。
近いうちがいい」■■
【ビバルディ】
「奴は、わらわの重臣じゃぞ?
気安く言うな」■■
「……だが、そうよな。
いずれは……」■■
【ブラッド】
「ああ、あいつなら私達のことにも気付きそうだ。
危険要素は早めに排除しておくにかぎる」■■
【ビバルディ】
「……嫉妬にもっともらしい理由をつけるな」■■
【ブラッド】
「姉貴だって、同じだろう」■■
【ビバルディ】
「うむ……。
この唇に奴が触れたと思うと、処罰を急ぎたくもなる……」■■
ビバルディは、薬瓶の蓋を嫌そうに開けた。
彼女が綺麗な爪で擦ると、蓋はなんのひっかかりもなくとれる。■■
【ビバルディ】
「ああ、忌々しい……」■■
「な、何をする気?」■■
瓶が開いた。
それに驚き、同時に脅えた。■■
【ビバルディ】
「なあ、アリス……。
わらわ達、ゲームの新しいルールを思いついたのだ」■■
「おまえがここへ来るまで、とても楽しく相談しておった。
帰る前に、ちゃんと来てくれることが分かっていたからな」■■
【ブラッド】
「そう、楽しい時間だった。
待たされるのは嫌いだが、退屈しない待ち時間というのもあるものだな」■■
「姉貴とも、最初から最後まで気があって合意に至った」■■
【ビバルディ】
「どんなことを話していたか、聞きたいだろう?」■■
聞きたい。
彼らのことなら、なんだって聞きたい。■■
知りたいと思っても、二人の間には入っていけない気がする。
姉弟というのもあるが、私とはまったく違う人達だ。■■
「……いらない。
二人の秘密なら、黙っていてくれて構わないわ」■■
「私に教えてくれる必要なんてないんだから……」■■
疎外感を感じるなんて、馬鹿なことだ。
見ているだけ、傍にいられただけで満足しておくべきだった。
近付きすぎたのが悪い。■■
美術館の展示品にだって、きちんと「手を触れてはいけません」と書いてある。■■
【ビバルディ】
「ああ、アリス、寂しそうな顔をしないでおくれ。
誤解するな。いじめたいわけではないのじゃ」■■
姉弟が、交互に慰めてくれる。
前から後ろから声が飛ぶ。■■
【ブラッド】
「姉貴は、なんでももったいぶるんだ。
すまない、アリス」■■
【ビバルディ】
「ブラッド、おまえに人のことが言えるのか」■■
【ブラッド】
「今、いじめたのは姉貴だろう。
悲しませるな」■■
【ビバルディ】
「おまえがフォローしないのが悪い」■■
【ブラッド】
「姉貴に配慮が足りないから……」■■
【ビバルディ】
「おまえのほうこそ、配慮なんて持ったことがないくせに……」■■
「あ、あの……。
もういいから……」■■
慰められているのか、姉弟喧嘩に巻き込まれているのか分からなくなってくる。■■
【ブラッド】
「最初から最後まで、話していたのは君のことだ、アリス」■■
「私のこと?
私のことなんて、何を話すっていうの」■■
【ブラッド】
「…………」■■
「……話さないわけがないだろう」■■
「君がもうすぐ帰ってしまうかもしれないのに、私達がただ手をこまねいていると思うのか?」■■
後ろからブラッドの声が耳に響くが、目はビバルディに向いている。■■
「あ……」■■
「ビバルディ、やめ……っ」■■
彼女は、こともあろうに薬瓶に口をつけてしまった。■■
【ブラッド】
「私は、欲しいものを手に入れる」■■
薬瓶の中身が減っていくのが分かる。■■
「それがなくなったら、また帰れなくなっちゃう!」■■
【ブラッド】
「君の意志など関係ない」■■
止めようとしても、ブラッドの拘束で動けない。
薬が減っていくのを止めることが出来なかった。■■
【ブラッド】
「だが、君だって、私達を置いて帰りたくなどないだろう?」■■
「……そうだと言ってくれ、アリス。
帰りたくないと」■■
「たとえ拒まれても帰してなどやらないが、受け入れてくれたら優しくできる」■■
ビバルディは、薬をすべて飲み干してしまった。■■
……ように見えた。■■
彼女は拘束されている私に近付き、唇を寄せた。■■
「……つ……っ!」■■
「ビバル……ディ……」■■
【ビバルディ】
「……ふ……」■■
ビバルディから口移しで飲ませられる薬。■■
いつぞやと同じ中身のはずだが、甘い。
香りなどなかったはずなのに、薔薇が香る。■■
【ブラッド】
「なあ、アリス。
私達を置いていったりしないだろう?」■■
答えられるような状態でないのを見ていながら、ブラッドは平然と聞いてきた。■■
【ブラッド】
「ずっと、ここにいてくれ。
私達のどちらかがいなくなっても」■■
後ろから抱きしめられて、彼の姉からはキスを受ける。
薔薇の香りが強く、くらくらする。■■
薬を飲み込んでしまう。■■
くらくら……。
くらくらする……。■■
また、現実感がなくなっていく。
取り戻したはずのものが失われていく。■■
【ビバルディ】
「……どうじゃ?
夢に落ちたか、アリス?」■■
唇を少し離して、囁かれる。■■
頭がぼうっとして、地に足がつかない。
以前に薬を飲まされたときと同じような状態だ。■■
「……ええ、夢みたい」■■
夢をみている。
これは現実ではない。■■
だから、自由に、何にも縛られずここにいていい。
ふわふわした感覚に、思考が飛んでいく。■■
「…………」■■
「……でも、私はもうこれが夢じゃないことを知っているわ」■■
私を拘束する腕が揺れ、目の前の美女の目も揺れた。■■
「薬を飲んで、頭が朦朧となっても、もう夢だなんて思えない」■■
「これは現実で、この国もあなた達も、本当に存在する世界……。
そうでしょう?」■■
【ビバルディ】
「…………。
完全に目が覚めてしまっては、薬も通用せぬか」■■
悲しそうに、薔薇の表情が曇る。■■
(誤解しないで。
悲しませたいわけじゃない)■■
先刻、二人が慌てて慰めてくれたのと同じように思う。■■
強気が似合うビバルディの表情は暗く、この位置では見えないブラッドの表情も重苦しいのだろう。■■
慰めたくて、安心させたくて、だが傷ついてくれるのが嬉しい。
この美しい姉弟の間を裂き、割って入っていると思うと、価値のある物を踏みつけにしたような気分だ。■■
観客として、ただ大切に見ていたいと思う気持ち。
入り込めないという気持ち。■■
反して、引き裂いて割り込みたいと思う気持ちもある。
今まさにそうしているように、二人を裂いてしまいたい。■■
「もう、この世界を夢だとは思えない」■■
ビバルディの美貌が揺らぐ様を見たいと思う気持ち、これは破壊衝動というものなのだろうか。
傷つけたいと思う。■■
この二人に近付きたいと思う。
憎いからではなく、好きだから。■■
「でも……、夢みたいな気持ちよ」■■
【ビバルディ】
「……?」■■
「夢みたい」■■
「あなた達と、ずっといられるなんて」■■
【ビバルディ】
「……っつ……」■■
私は、強要されて飲み込むのではなく、率先して薬を飲んだ。
彼女の目も夢みるように変わっていく。■■
【【【演出】】】……ガラス瓶の割れる音
ぱりんと、ガラスが割れる音が聞こえる。
ぼやけた視界の端に、薬瓶が割れたのが見える。■■
(ああ……)■■
(……これで、もう薬は溜まらない。
もう元の世界には戻れないのね)■■
ぼんやりと、思う。■■
(もう戻れない……。
この世界から帰れない……)■■
(…………)■■
よかった、と、安堵した。
恍惚の溜め息が漏れる。■■
自分のものかと思ったが、それは後ろから聞こえた。■■
「……ブラッド」■■
【ブラッド】
「なんだ?」■■
後ろに向かって、返事を言う。■■
私の答えは、彼の望んだ答えそのままのはずだ。
請われたまま、伝える。■■
「私、帰りたくないわ」■■
「あなた達を置いて、どこにも行きたくない。
帰りたくなんかないの」■■
彼がそう言ってくれと望んだ通りの言葉を吐き出す。■■
「帰さないで」■■
【【【演出】】】……さらにガラス瓶の割れる音
ぱりん、と。■■
完全に薬瓶が割れる。
もう絶対に修復できないくらい、完全に割れて、壊れる。■■
【ブラッド】
「帰さないとも」■■
【ビバルディ】
「帰す気など、元よりないわ」■■
【【【演出】】】……ガラス瓶の欠片を地面に投げ、ヒールで踏みつける音
ビバルディは欠片を地面に投げ、ヒールで踏みつけた。■■
【ブラッド】
「こぼしているぞ、アリス?
お行儀の悪いお嬢さんだ……」■■
【ビバルディ】
「ああ、本当だ。
悪い子……」■■
ビバルディにぺろりと唇を舐められる。■■
ぼうっとなって力の抜けた私に、ブラッドは拘束を解いた。■■
【ブラッド】
「残さず飲み込まないと駄目だろう……?」■■
ビバルディは引き、今度はブラッドに口付けられる。■■
(…………。
なんだか、すごく……)■■
倒錯的だ。
ブラッドまで薔薇の香りがする。■■
「……はあ……」■■
「…………。
……と……ね」■■
【ブラッド】
「……ん?」■■
「……お姉さんと間接キスね」■■
【ブラッド】
「……気色悪……」■■
ブラッドは、口元を拭った。■■
【ビバルディ】
「失礼な奴」■■
口ほどに不愉快ではないらしく、ビバルディは機嫌よさげに離れた。■■
【【【演出】】】……ガラスをじゃりじゃり踏む音
弟と私のキスシーンを横目に、じゃりじゃりと瓶の欠片を踏みつける。■■
【ブラッド】
「……は……っ……」■■
ブラッドはブラッドで、ビバルディをまったく気にせずキスを続ける。
モラルも常識も低い弟にとって、姉との間接キスというのはたいした打撃にはならなかったようだ。■■
「……ん……」■■
夢のようだ。
これは、夢だ。■■
だが、もう瓶は割れた。
この夢は、ずっと続いていく。■■
【ビバルディ】
「なあ、アリス。
わらわ達は相談したのじゃ」■■
「重要なことに気付いたのだが、このゲームには賞品がない」■■
「勝っても負けても褒美がないのだ。
それでは、弟と楽しい殺し合いのゲームをしていても喜びが少ない」■■
ぐりぐりと、彼女は飽きずにガラスを踏む。■■
粉々にして、それでも気がすまないようだ。
念入りに、繰り返す。■■
【ビバルディ】
「わらわ達は、おまえが好きだ。
ずっと可愛がってあげたい」■■
「だから、相談の結果……、相談といってもすぐに合意したからたいしたものではなかったが、話し合って決めたのだ」■■
「……おまえを賞品にすることにした。
いいだろう?」■■
「……私は、勝ったほうのものになるの?」■■
賞品。
物扱いされることは、あまり気にならなかった。■■
むしろ、誇らしい。
それだけの価値があるか疑問だが、私を手に入れようとしてくれている。■■
二人のゲームの賞品にされることに、なんの不満もない。■■
「勝ったほうのものになるということは、負けたほうのものにはなれないということよね」■■
それだけが、悲しい。■■
【ブラッド】
「違うぞ、アリス。
このルールだと、勝っても負けても賞品があるんだ」■■
「負けたほうは死んじゃうじゃない。
それとも、殺さないで勝つ方法をみつけたの?」■■
この二人は、ゲームを降りられない。
殺し合わない二人など在り得るのかと思ったら、やはり否定された。■■
【ビバルディ】
「死のないゲームなど、ゲームと呼べぬ。
スリルがない」■■
「後戻りのきくゲームは、子供の遊びじゃ。
わらわ達は大人の遊びをしておる」■■
「やり直しなどきかないゲームだ」■■
「じゃあ、負けたほうは賞品なんか手に入らないわ。
死んだら何も手に入らない」■■
【ビバルディ】
「死なないと手に入らないものが手に入る」■■
【ブラッド】
「勝ったほうは、君とずっと一緒にいられる。
負けたほうは、この薔薇園で君と自分を負かした人間に泣いてもらえる」■■
「ずっと、いなくなったことを嘆いてもらえるんだ」■■
【ビバルディ】
「……勝っておまえと二人で過ごすのもいいが、負けるのも魅力的じゃ」■■
「わらわが死んで、ブラッドとおまえが泣き崩れるのを想像すると……どうにかなってしまいそう」■■
【ブラッド】
「殺し合うのが、もっと楽しくなるな」■■
二人が素晴らしいことのように語ると、どんなことでも夢物語のように聞こえる。
メルヘンチックな童話のようだ。■■
そう聞こえてしまう、私はおかしい。■■
「勝負がつくまでは、どうするの?
これまでだって、勝敗はついていない」■■
「結果が出るまで、賞品は待ちぼうけ?
腐ってしまうわ」■■
【ブラッド】
「待たせたりしない。
君を待たせる前に、こっちが耐えられなくなる」■■
「私達は手癖が悪いから、賞品に手を出さずに待っていられないんだ」■■
【ビバルディ】
「それまでは、今と同じように三人で過ごすのだよ」■■
「ここを出て、次に時間が変わる頃にはどちらかが倒れておるかもしれぬ。
だが、永遠に近い時間、どちらも倒れず過ごすかもしれぬ」■■
「誰にも気付かれず、この薔薇園でだけ愛し合って、外では憎み合い殺し合う」■■
【ブラッド】
「夢のようだと思わないか?」■■
夢だ。
夢なのだから、おかしくなってもいい。■■
とうに、おかしくなっている。■■
この姉弟に、魅入られてしまった。
夢でもいい。■■
「夢のようね……」■■
【ブラッド】
「……夢だよ」■■
薔薇が香り、包まれた。
全身を包み、安心させる。■■
【【【時間経過】】】
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