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ハートの国のアリス
~Wonderful Wonder World~

『ブラッド=デュプレ ■12話(選択肢1:女王2)』

2:「お許しください、女王様」
「じょ、冗談はやめてよ、ビバルディ……」■■
【ビバルディ】
「おや、わらわは冗談は得意でないよ」■■
ビバルディの息がかかる。■■
近くで見れば見るほど、綺麗な人だ。
粗がみつからない。■■
つつ……っと、私の服に、綺麗にマニキュアの塗られた指が……。■■
「や、やめ……」■■
なぜか、動けない。
逆らえない。■■
【ブラッド】
「…………」■■
「……よせよ、姉貴」■■
ぱしっと、手が撥ね退けられる。■■
「……ブラッド」■■
ほっとしたような、少し残念なような複雑な気分だ。■■
(……残念って)■■
(私って、そういう趣味が……)■■
愕然としてしまう。
助かったという気持ちと同じくらい、残念に思ってしまった。■■
【ビバルディ】
「無粋な奴め」■■
【ブラッド】
「嫌がっているだろう」■■
【ビバルディ】
「おまえには、嫌がってみえるのか?
存外、女には疎い男じゃのう……」■■
「女同士の遊びを邪魔するとは、気がきかん。
混ぜてやってもいいと思っておったのに、損をしたな」■■
【ブラッド】
「……いらん。
ふざけたことを言うな」■■
【ビバルディ】
「ふざけてなどおらぬよ。
わらわは冗談が得意でないと言うておろうに」■■
「この子も、残念がっておる……」■■
なあ……と、同意を求められる。
頬が赤くなるのが分かった。■■
【ブラッド】
「誰が残念がるか。
アリス、相手にしなくていいぞ」■■
【ビバルディ】
「ふふふ……」■■
「ああ、おかしい。
気取ってみせても、愚弟は愚弟のままか」■■
「女というものの機微にまるで通じておらん」■■
【ブラッド】
「姉貴の勝手な妄想だ。
嫌がっている」■■
【ビバルディ】
「ふ……。
愚かな奴……」■■
ビバルディは弟を嘲り、私には優しく微笑んだ。■■
【ビバルディ】
「……ブラッドにも遊んでもらいたかったろう?
いずれ、遊ばせてやるからね?」■■
優しく、舐めるように頬に手が滑る。
ぞわっと、全身が震えた。■■
恐ろしいのか、それとも別の何かか。
そのとき、残念がっている自分を改めて自覚した。■■
【【【時間経過】】】

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