★3:「時計塔」
「時計塔かしら」■■
偏屈者だが、意外にいい人そうなユリウス。
最初に降り立った場所だということもあり、気に掛かる。■■
(それに、口は悪くても、ユリウスが一番まともな気がする……)■■
この世界には、彼を除いて、変な人か危険な人しか存在しない。■■
【エリオット】
「時計塔……だと?
あんた、あんな所が気になってんのか?」■■
エリオットの表情が、さっと曇る。
ブラッドも、エリオットほどではないが、どこか難しい顔に見えた。■■
「何?
時計塔を気に掛けちゃいけないの?」■■
(時計塔というより……ユリウス?
あそこにはユリウスしかいないようだし)■■
【ブラッド】
「駄目とは言わない。
いや、言えないが……、あまり我が屋敷の客人に通ってほしいところではないな」■■
抑揚のない声で、ブラッドが答える。■■
思わせぶりな返事。
更なる説明を求めて視線を送るが、詳細は答えてくれなかった。■■
OP 03話(帽子屋2)へ進む