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ハートの国のアリス
~Wonderful Wonder World~

『OP ■02話(帽子屋_選択肢1:ブラッド)』

1:「ブラッドをなじる」(◎ブラッドの好感度+1)
「あんたは紳士じゃないわ」■■
【ブラッド】
「……私が紳士だなんていう奴はいないよ」■■
びしりと言うと、だらりと返された。■■
【ブラッド】
「紳士なんて、つまらないだろう。
つまらないものは嫌いだ」■■
けだるげに、くだらなさそうに話す。■■
(顔が同じだけに……)■■
(……嫌な男)■■
似ていると思ったことを、別れた恋人に詫びたくなる。■■
……別れた恋人。
そう、この人はよりにもよって、私の付き合っていた人と同じ顔をしている。■■
(……あの人は、こんなキテレツな格好していなかったけど)■■
見れば見るほど。
嫌がらせのように、よく似ていた。■■
元恋人と、同じ顔をした人が夢に出てくる。
心理学に明るくなくとも、その意味くらいは分かる。■■
(未練たらったらなんじゃない……。
女々しいー……)■■
(……もうふっきれたと思ったのにな)■■
「私、あなたみたいな人って好きになれないわ」■■
八つ当たりが入っていないといえば、嘘になる。
しかし、それを抜いてもこの男を好きになれない。■■
だるそうな雰囲気も、友人を人とも思わないような扱い方をする(人ではなくウサギだが)ところも、顔も、なにもかも私の気分を逆撫でしてくれる。■■
【ブラッド】
「それはよかった」■■
「!」■■
「……む」■■
「むむ……」■■
自分で言っておいてなんだが、もっと違う反応を期待していた。■■
好きになれないと言われて、嫌な気分にならない人間は少ない。
嫌そうな顔をするかと思ったら、さらりと流されてしまった。■■
【ブラッド】
「…………」■■
「好きになれないということは、好きではないということだ。
そうだろう?」■■
「……そりゃそうよ」■■
【ブラッド】
「好きではないということは、これから好きになる余地があるということだ」■■
「は?」■■
【ブラッド】
「好きと言われるより、好きになれないと言われるほうが面白い。
退屈しなさそうだ」■■
「…………」■■
「あなたって……。
……見かけによらず建設的なのね」■■
他に、なんと言えただろう。■■
恐らく、この人に何を言っても無駄だ。
軽くかわされるか、受け流される。■■

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